配達された5通の手紙

2009年11月14日 TV
配達された5通の手紙
NHKBS20周年ベストセレクションで
『没後20年 向田邦子が秘めたもの』2001年7月本放送
(要するに再放送)
 を見る。
向田和子(妹)著 『向田邦子の恋文』を原作に
2004年(山口智子主演)にドラマ化されたものとは別物で
コレは残された手紙と日記の朗読、友人たちの証言などで
構成されたドキュメント風。

十数年、忍んだ恋は終に結実することなく潰えた。

それは、飲み込んで自分の作品に取り込まれているのかしら?

包丁持って突っ立ってる夫(『かわうそ』より)に
「すごいじゃないの…包丁を持てるようになったの。もう一息だわ…」 
と言う妻の言葉で話が終わる(落語のオチのようだ)。


誰もが思うような結末…妻の言葉の前に既に夫の心情として描写されてる…
が先に述べられ、当然妻(或いは、夫)を刺して、と思いきや
上記のセリフとなる、お見事。

浮気相手のオンナの家に乗り込んだ妻は下駄箱に
夫の靴があるか(夫が来てるか調べるため)開けてみようとする。
(NHKドラマ『阿修羅のごとく』より)
愛人と本妻のやり取りがスゴイ。

どうぞお確かめください…と開き直るオンナを制して
拝見します、と下駄箱を開けようとする妻、押し止めるオンナ。


「えぇ~ソコまでは遣んないでしょ、普通。」って
思わず突っ込みたくなるリアリティー。

演出の和田勉氏を嘆かせた『救いのないドラマ』を描ける
得がたい脚本家は(彼女がいなくなってしまってから)
いまだ不世出だと思う。

追記
考えてみると…恋は終に結実することなく…という表現は
穏当ではないと気づく。
お互い、愛し愛されたコトは間違いのない事実なのだから。

結婚という果実(或いはそれに類する形)が実らなかったと
いう結果だけを求めるのは変…


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